霧ヶ峰高原 伊那丸(1698m)、ガボッチョ(1681m)、カシガリ山 (1616m) 2010年11月6日
所要時間 7:26 伊那丸駐車場−−7:31 伊那丸−−7:58 ガボッチョ−−8:50 カシガリ山−−9:31 伊那丸駐車場
概要
伊那丸駐車場から3つのピークを往復。地形図ではこの付近には破線がたくさん描かれているが実際は廃道同然で車の轍の形跡程度。樹林がなく広範囲でカヤトの原である。遠めにはきれいだがこの中を歩くとなると結構疲れる。どのピークもカヤトの原に覆われ展望は良い。
本日第2ラウンドは伊那丸、ガボッチョ、カシガリ山の3山だ。地形図では破線があちこちに通っていて簡単に登れそうだが本当に道があるのだろうか。無ければ笹藪漕ぎの確率が高そうだ。どこから取り付くかは駐車スペースの場所によりけりだ。車山登山口を通過し「霧ヶ峰富士見台」という駐車場が登場、もう少し先まで行ってみて適当な駐車余地が無ければここから出発することにして先に進むと伊那丸が目の前のロケーションに「伊那丸富士見台駐車場」が登場。ここなら文句無しだ。まだ朝早い時間で駐車場は無人。その端に車を置いて出発する。
伊那丸富士見台駐車場 | 駐車場目の前が伊那丸 |
まずは目の前の伊那丸。この一帯は緑の笹ではなく一面の枯れたカヤトの原でまだ歩きやすい。しかしカヤトも足への抵抗はあるので長距離になれば疲れそう。伊那丸の登りはつい最近木を全部伐採したようであちこちに放置されたままの幹や枝が転がり、これがかなりの障害物となっていた。なぜにして全て伐採したのかは不明だ。この様子では元々樹林はさほど濃くなかったようだが。
伊那丸への登り。伐採された木が邪魔 | 伊那丸山頂。平坦で広い |
伊那丸山頂は平坦で顕著な最高点は見当たらなかった。目印をつけようにも木がないのだからしょうがない。その分、展望は良好でこれから向かうガボッチョが良く見えている。色からするとこのまま延々とカヤトが続くらしい。なだらかで広い尾根が続き、こういう場所だとどこでも歩けるので動物も適当に分散して歩いてしまうため獣道ができにくい。カヤトには霜が付いているが日が当たって溶けてきておりズボンを濡らす。しょうがないので途中でロングスパッツで武装する。ゴアを履かなくても大丈夫だろう。
ガボッチョへ向かう | 1525m峰の北を巻いた |
延々と続くススキとカヤトの原は笹よりマシだが結構疲れる。断続的に僅かに獣道が登場するとグっと抵抗が減って楽になるのが分かる。この道は鹿道かなぁ。少しくらい稜線を離れてもできるだけ獣道をつなげて歩くようにした。1615m鞍部付近でかなり薄くなった車の轍が登場、完全に廃道化しているが獣道とは段違いの歩きやすさだった。ただ、轍は尾根を行かずに西に巻いており、少しだけ辿ってから再びカヤトの藪に突入して尾根に復帰した。
ガボッチョへの登り。最初だけ低い笹 | ガボッチョ山頂。ここも平坦で広い |
ガボッチョへのまとまった登り初めだけ低い笹が登場、低いのでかえってカヤトより歩きやすかったが長続きせず再びカヤトに没する。急登が終わるとガボッチョ山頂の一角に到着、ここも伊那丸のように広い山頂部で特に高い場所は見当たらない。山頂標識の類がないか少し探し回ったが見つからなかった。たぶんDJFは登っているだろうが6年前だから目印が無くなっていても不思議ではない。
ガボッチョから見た車山 | ガボッチョから見た伊那丸と1690m峰 |
次はカシガリ山だ。常識的には尾根を伝わって伊那丸南東側の1690m峰に登り、その後南東尾根を下るのが分かりやすいのだが、それだと結構遠回りになるので1690m峰南側を巻いて目的の尾根に出てみることにする。今までと同程度のカヤト&ススキが続くといい加減イヤになるので、できるだけショートカットしたいと思うのは当然だ。鞍部の廃林道に下り、ここは轍が残っているので周囲よりずっと歩きやすいのでしばしこれを辿り、適当なところで東の1690m峰に進路を変える。
1690m峰西斜面から見た北アルプス(クリックで拡大) |
1690m峰西斜面も立ち木があったのを全て伐採したようで幹や枝が放置され歩きにくい。それらの隙間を繋ぎつつ藪ができるだけ薄い箇所を歩いていく。ピーク上方はカラマツ植林帯で緑の笹が覆っているのが見えるが、丈が低そうでここよりも歩きやすいかな。振り返ると北アルプスの白い山並み。もう完全に冬景色だった。
1690m峰西斜面から見たガボッチョ | カラマツ植林帯に入る。低い笹で歩きやすい |
最初は南東に向かった | 方向間違いに気付いて北西へ登る |
カラマツ植林帯に到達すると低い笹でずっと歩きやすかった。それに明瞭な鹿道が縦横に走り、適当に繋げることもできた。あまりまじめに地図を見ないで明瞭な尾根が張り出した右手(南)に進路を変えたのだが、念のためにGPSでカシガリ山の位置を確認すると南東を示していた。このままでは明らかに進路が違うので東向きに変えてトラバースを開始。この付近はなだらかな傾斜の台地状で方向感覚を失いやすく、方位磁石を見ながら進んで行く。やがて前方に尾根が2箇所張り出しているのが見えたが、奥の尾根には突端にピークが飛び出している。地図を見たがどうもあれがカシガリ山のようだ。かなり東に進路を振らないと尾根がつながっていないようで、やや北上気味に進むようにした。
再びカヤト&ススキの原に出る | 遠くにカシガリ山のピーク |
やがて植林帯が終わって再びカヤトとススキの原っぱに出て藪漕ぎ再開。でも東向きの斜面で明るく、日差しの影響か既に藪は乾いているので快適だった。そのまま適当に東に向かって尾根のてっぺんに出ると薄い車の轍が登場。なんかさっきの鞍部と状況が似ている。地形図ではここには破線が描かれているが山道には程遠く、消えかけた林道と表現するのが正しいだろう。でも僅かでも轍があると格段に歩きやすく一気にペースが上がった。
轍に出たと言ってもこの程度の濃さ | カシガリ山のピーク |
あとはこのまま轍を進んで行き、これがカシガリ山を通っていればそのまま進めばいいし、途中でどこかに逃げるようであればカヤトを歩けばいい。尾根上からは突端のカシガリ山が良く見えていた。徐々に轍が薄くなってきたが最後まで消えることはなく、カシガリ山直前で轍から踏跡に変わったが最後まで利用できた。
カシガリ山山頂 | QZW氏のリボン。埼玉の低山でも見たことあり |
僅かに登り返した小ピークがカシガリ山山頂で三角点が埋まり、近くの木には赤いリボンが下がっていた。文字が書いてあるので見てみると「QZW」で、これは某滝沢さんのものと判明。こんなところも来ていたか。まあ、ここなら厳しい山ではないので足にも優しいが。山頂標識はなくマイナーな山だった。
駐車場目指して緩やかに登る | 廃林道起点 |
案内標識。遊歩道と書かれているが実際は廃道 | ここまでは車で入れる |
帰りは素直に轍を追っていく。1690m峰を越えると廃林道っぽくなり、電波中継所付近で林道の入口に出た。ここは車が入らないよう木の棒で車止めされているが、この道の状況では車止めが無くても入れないだろう。近くの案内看板にはここからカシガリ山まで遊歩道が描かれているが、実際にはどうみてもまっとうな道ではない。昔はちゃんとした道だったのだろうが訪問する人も少なく整備もされず放置状態か。
おまけ 霧ヶ峰スキー場付近から見た槍穂(クリックで拡大) |
その先は車道が上がり、廃屋を通過すると駐車場だった。